ジーンズ色落ち鑑賞マニュアル
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ジーンズの色落ち、経年変化、味わってますか?
と、謎な発言で始まりました・・・
ジーンズネット界の住人は、ジーンズの色落ちをツマミに酒を呑んでたりします。
思い当たる人いますよね?そうそう、そこのあなたです。
・・・ボクもですが^^;
我ながらヘンな人種だと思います(笑)
今回は、ジーンズの色落ちや経年変化を、より味わい深く鑑賞するツボを押さえてみましょう♪
1つ目のツボ ディテールを味わう
ジーンズは穿き込むほど、その跡を随所に刻み込んでいきます。
刻み込まれた跡は、なんともいえない味わいに変わってゆきます。
さて、それではボクが楽しんでいる主な味わいポイントを紹介します。
ヒゲ
ヒゲは、足を上げた時に腰周囲にシワができ、これが擦れることによって創られる線状の色落ちです。
とくに、フィットしたジーンズを穿いているとくっきり表れます。
この色落ちは派手なので万人に好まれます。加工ジーンズにもヒゲが入っていることが多く、外せない色落ちのひとつでしょう。
この色落ちがくっきりだと「ヒゲ、ビシビシ入ってるね〜」なんて会話が生まれたりするかもしれません。
下がりヒゲ
下がりヒゲは、足を曲げた時に腿にシワができ、これが擦れることによって創られる線状の色落ちです。
とくに下向きに走った色落ちのことを指します。
ゆとりのあるジーンズを穿いた際にできやすいです。
この色落ちはゆとりあるジーンズにできやすいためか、ジャストサイズジーンズを好むマニアにはウケが悪いようです。ボクは好きなんですけどねー
ハチノス
ハチノスは、足を曲げた時にヒザ裏にシワができ、これが擦れることにより創られる多角形状の色落ちです。
見た目、蜂の巣に似ていることからそう呼ばれてます。
フィットしたジーンズを穿いた方ができやすく、また、洗濯頻度を抑えた方がクッキリします。いわゆる根性穿き。
しかしながら、ボクとしては、洗濯をしないほうができやすいことから、不潔っぽい印象を持っています(偏見^^;)
ちなみに、ボクは洗濯魔なのであまりできません。
Gジャンにもハチノスができている人には「腕にもっすか〜」とからんでみましょう^^
ミミ
ミミに沿った色落ちは、セルビッチ仕様のジーンズの特徴の一つです。ジーンズの外側のシーム部分に現れる二本線の色落ちです。
二本線の色落ちですが、線路の枕木のように横線が入ると、より立体的な色落ちとなり、良しとされています。「ミミ、ボコボコだねー」なんて会話になるかも。
とくにこの色落ちを愛する人を「ミミフェチ」と呼びます。
裾
裾の色落ちは、目立つ部分ですので注意したい部分です。裾上げをチェーンステッチで行うことにより現れる色落ちです。
チェーンステッチが綻び始め、リペアする際には、再度チェーンステッチを施すと余計なうねりをまねくので「シングルステッチでよろしく」と言いましょう。すでについたうねりを保護するためです。
うねうねした色落ちが良しとされます。
「おぉ、裾、うねうねだね〜。生カット?」なんていう会話が生まれるかも。
ウォッチポケット
そもそもウォッチポケットは、懐中時計を入れるためのポケットですが、腕時計の普及によりコインを入れるようになったためコインポケットとも呼ばれたりします。
ボクの周りでは、zippoを入れたりして色落ちさせるのがオーソドックスのようで、つい最近までボクもそうしていましたが、禁煙により、主にガムや飴玉の包み紙やを入れたり、レシートを入れたりして、いわるゆゴミ箱として活用しております^^;
フロントボタンによるアタリ
フロントボタンは比翼を色落ちさせます。フロントボタンのエッジが効いているほど、くっきりとした色落ちを与えます。
また、裏返さずジーンズを洗濯機や乾燥機にかけるとくっきりと現れることでしょう。
他人が穿いているジーンズのこの部分の色落ちをじっくり覗き込んでしまうと、勘違いされることは必至!
女性のであればセクハラです(((( ;゚д゚))))アワワ 注意しましょう(・∀・)/
「覗かせてもらっていいですか?」と断りをいれても、だぶんダメ。
赤タブの縮み
赤タブがクルクルと縮んだ姿は、哀愁をも感じさせます。
「本来必要ないもの。所詮お飾り。」と、くるくると縮まった赤タブから卑屈な声が聞こえてくるかのようです。
洗濯していくうちに色が抜けていくのも味ですね♪
隠しリベットによるアタリ
隠しリベットによるアタリは、ジーンズの色落ちの中で最初につくアタリになります。ある日気づけば、ステッチは切れ、色落ちがすすんでいることでしょう。
それほど注視されませんが、ポケットの色落ちのコントラストを決める重要な色落ち。
十分に味わいましょう^^
パッカリング
パッカリングは、生地の縫い目がぶくぶくした凸凹を作ってしまった状態をさします。
本来、パッカリングとは品質不良の証ですが、ことジーンズにおいては良い風合いとされ、ジーンズマニアに喜ばれます。
ボクはこのパッカリングが大好きです(・∀・)
ベルトループ
ベルトループにも色落ちは存在します。その色落ちはベルトループ中央部が盛り上がっていることからくる中央のみのアタリです。
立体的な色落ちで、地味ではありますがそのジーンズの作り込み具合を感じさせる部分でもあります。
糸
洗濯を繰り返してゆくと、縫製糸も色落ちしてゆきます。糸の色抜けも味わい深いものですが、他人からはあまり評価をうけない部分ですので、一人でこっそり楽しみましょう。
地味ながらトータルで見ると糸の色抜けがジーンズのエイジングにプラスαを与えていることに気付くはず。
革パッチ
革パッチの縮み、硬化も味わいの一つです。洗濯を繰り替えるうちに革パッチの油分が抜け、革が固く変化します。
個人的には革パッチが固くなり取れちゃうくらいでも、ナイスです♪
また、革パッチの加工でも遊べます。(コラム「
革パッチ中古加工
」参照)
@
A
B
C
D
E
ボタンのサビ
ボタンにサビがつくと味わい深いものになります。
@のサビのないものより、サビたボタン方が魅力的と思うのはボクだけでしょうか?(笑)
とはいえ、普通に穿いているだけではなかなかサビませんが・・・^^;
そこで、サビ加工というものが登場します。
Aのボタンはフルカウントによる「雨ざらし加工」
Bのボタンはウエアハウスによる「塗装加工」
CDのボタンは「ガルバニック腐食法」(コラム「
サビ加工1
」参照)
Eのあきらかにサビ過ぎな^^;ボタンは「逆電気防食法」(コラム「
サビ加工2
」参照)
これはマネしない方が良いと思います・・・( ̄▽ ̄;)
リベットのサビ
リベットにもサビがつくと味わい深いものになります。左は鉄のリベット、右は銅のリベット。素材ごとにサビが違うのが楽しいですね。
ちなみに右のリベットはサビ加工したリベットで、発生したサビが緑青だったのは想定外でした^^;
緑青は水分の多い状態で発生するサビです。(さめーブログ「
リベットのサビ加工
」参照)
@
A
B
C
D
生地の違いによる縦落ち感
生地それぞれにより、縦落ちの表情は異なるものです。同じメーカーでも、異なった仕様の生地をリリースしてくるので、どんな生地を使用しているのかを店員に確認しつつ、それぞれの個体差を比較しながら味わうのもジーンズのエイジングの醍醐味です♪
どれがどのメーカーの生地だかわかりますか?わかったら相当のマニアです^^(→→→
答え
)
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2つ目のツボ 穿いて味わう
眺めているだけでは物足りなくなるので、
穿いてみます^^
すると、眺めているだけでは解らなかった、生地の質感が肌を通してダイレクトに伝わってきます。
それは、生地の厚みであったり、しなやかさであったり、はたまた、ザラツキであったり。
また、同じ生地でもシルエットによって穿き心地が異なって感じるのが不思議です。
それぞれのジーンズの性格がより伝わってくるでしょう。
3つ目のツボ インディゴの濃淡を味わう
ジーンズは穿き込むほど色落ちをし、インディゴの濃淡が現れます。その濃淡は、その人の生活を如実に反映するものです。
例えば、
ジーンズを、タイトに穿いていればヒゲが強くでますし、
ルーズに穿いていればヒゲはあまりつきません。
洗濯頻度が、多ければ全体的にぼやっとした色落ちになります。
少なければコントラストの強い色落ちになります。しかし、あまりにも洗濯頻度が少なければ、生地が傷み、しまいには破れてしまうこともあります。
太陽の下にいる時間が多ければ、紫外線によりくすんだ色合いになります。
自転車に乗れば、お尻の色落ちがすすみます。
子育てをすれば、膝立ちすることが多くなり膝だけ色落ちがすすみます。
このように、ジーンズの色落ちはその人それぞれの生活を映し出し、インディゴの濃淡として描かれます。
そして、その濃淡はそのジーンズ唯一のものです。
この経年変化こそジーンズが愛される理由なのでしょう。
2011.5.24
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