生デニムのススメ
ジーンズのおろし方
「生デニムって？〜穿き込み開始まで」

生デニムのススメ
「生デニムって？〜穿き込み開始まで」

Step.１ 生デニムとは？

　生デニムとは、生地が未洗いで糊付き、かつ防縮加工（サンフォライズ）がされていないモノになります。ロウ（Raw）デニムとも呼びます。

リジッドデニムというものもありますが、こちらは、生地が未洗いで糊付きのモノ。防縮加工されている場合もあります。

ということで、生デニムの大きな特徴は、洗うと縮むという所になります。ウエストでおおよそ５�pくらい縮みます。縮率でいうと５〜１０％くらい。生地により様々。この縮みを楽しめるようになることが、ジーンズマニアの第一歩です。

未洗いのジーンズを穿いたまま、お風呂に入って「シュリンクトゥフィット」（=洗って、縮めて、身体にフィットさせる）するのもまた一興ですよ。

誰かにみられたら変態と呼ばれますけどね（笑）

Step.２　生デニムの良さ

　さて、１０％も縮んでしまうという生デニム。常人にとってはアリエナイことでしょう＾＾；　正直ボクもめんどくさいです。

ワンウォッシュのジーンズを買えばすでに縮みきっているので、すぐに丈合わせして裾上げが可能。失敗も少ないです。

では、なぜ？生デニムなんて難儀なモノをススメるのか。

それはひとえに「愛着がわく」から。

穿き込む前に、手間ヒマをかけ、儀式ともいえる “生デニムの糊落とし・乾燥・裾上げ” を経る中で、よりそのモノに慣れ親しみ、心を魅かれ、離れがたく感じるようになっていく。これこそ愛着（偏愛？）

服飾評論家でファッションエッセイストの出石尚三氏がこう述べております。「ジーンズは息子に似ている。成長を楽しむもの。」

手間ヒマかけてジーンズを育てるからこそ、かけがいのない存在へ変化していくのでしょう。

とくに、穿き込む前に行う “生デニムの儀式（糊落とし・乾燥・裾上げ）” は、赤ちゃんに産湯を使わせるようなもの。生デニムは赤ちゃんなのです！（変態発言）

Step.３　生デニムの儀式（糊落とし〜乾燥〜裾上げ）

�@.　糊落とし（糊落としの儀）

　糊落としには様々な方法があるかとは思いますが、ボクとしては一回の洗濯で糊を極力落とす、穿き心地重視の糊落としを推奨しています。

ジーンズの洗濯　糊落としの方法｜ジーンズサイトさめー

糊をふやかすためのお湯の温度は、若干高めの６０℃としています。なかには、「高温のお湯はインディゴをより落とすのでよくない」と言う方もおられます。気になるようでしたら調節してください。しかしまあ、乾燥機に入れれば高温になりますし、あまり神経質にならないほうがいいですよ。




�A.　乾燥（乾燥の儀）

　乾燥には、自然乾燥または乾燥機という方法がありますが、生デニムにおける “乾燥の儀” では乾燥機を使用して生地を縮ませきるという所が押さえたいポイントになります。

　とくに、ジーンズのファーストウォッシュには乾燥機が必須です。なぜなら、生デニムの特性上、洗濯する度にどんどん縮んでいって丈が足らなくなってしまうからです。

　そして、乾燥機はぜひともコインランドリーを使用しましょう。家庭用乾燥機はすすめません。

ジーンズの洗濯 乾燥機のかけ方｜ジーンズサイトさめー

家庭用は変なアタリが付いてしまいますし、縮みも不十分なことが多いからです。




�B.　裾上げ（裾上げの儀）

　縮率を把握してるお店なら「生カット」といった方法で、生デニムのまま洗濯せずに裾上げをしてくれる場合もあります。しかし、これがなかなか狙った長さにならなかったりします。ということで、糊落とし〜乾燥後に裾上げをした方が無難でしょう。


そして裾上げは、もちろんチェーンステッチでお願いしましょう。
　↓チェーンステッチ（環縫い）


いずれ、ウネウネのアタリが楽しめます♪